Kunihiko Shimada Official Blog 国際交渉人 島田 久仁彦公式ブログ

COP22会合:日本は本当に地球の未来に向けたルール作りから取り残されたのか?

昨日11月4日にパリ協定が発効した。すでに締約国の排出量は全体の66%を超えるレベルになった。予想を大きく上回るペースでの発効となったが、日本は残念ながらスタートアップの締約国の仲間入りはできなかった。予想よりも早かったこともあり、各国ともに交渉の準備が出来ているとは言えないと思われるが、11月7日から始まるCOP22では、パリ協定締約国会合(CMA1)が行われ、地球の未来に向けたルール作りの“基礎”が議論される。日本政府はCOP22の開会までの批准を目指していたが、昨日の衆議院でのTPP採決のあおりで、まだそれは叶っていない。ルールそのものが今回できることはないと思われるが、日本は残念ながらその基礎を議論する際に発言権を持たないことになってしまった。これは外交上、特に日本が誇る環境技術やノウハウを通じた環境外交上、大きな痛手となるであろうし(少なくともイメージ的に)、また、2020年以降の気候変動枠組みにおいて、発言力が低下する恐れがある。巻き返しを図るとしたら、今回の会合でいかにプレゼンスを示せるかにかかっているだろう。私も今日から、日本政府交渉団の一員として交渉に参加する。時間が許す限り、マラケシュから、交渉の進捗について発信できればと願っている。

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島田 久仁彦 (しまだ くにひこ)

1975年生まれ。大阪府出身。国際ネゴシエーター。株式会社KS International Strategies CEO。経済産業省参事。同志社大学、アマースト大学を経て、2002年ジョンズ・ホプキンズ大学大学院国際学修士。国際情勢、環境・エネルギー問題の専門家。1998年より国連紛争調停官としてコソボ、東ティモール、イラクなどの紛争調停に従事。2005年から環境省国際調整官(2010年11月から2016年3月までは環境省参与)として、気候変動交渉で日本政府代表団リード交渉官と交渉議題の議長を歴任。2012年世界経済フォーラムYoung Global Leaders 2012に選出される。現在、CNN、BBC、France2など海外メディアに出演し、国際情勢、安全保障問題、環境・エネルギー問題などのコメンテーターを務めている。活動は安全保障・外交問題、エネルギー、環境問題にとどまらず多岐にわたる。主な著書に『交渉プロフェッショナル』(NHK出版)、『最強交渉人のNOをかならずYESに変える技術』(かんき出版)などがある。

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