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時事通信社によるレポートでは、「米軍の支援を受けてシリアで過激派組織「イスラム国」(IS)と戦うクルド人勢力主体の「シリア民主軍(SDF)」は6日、ISが「首都」と位置付ける北部ラッカへの攻撃を開始したと発表した。AFP通信が伝えた。ラッカはISが2014年に制圧。11年のシリア危機勃発前は、約24万人が住んでいたという。SDFは今年8月、シリアの対トルコ国境とラッカの間に位置する要衝マンビジュを制圧し、ラッカ解放に向けた軍事作戦の準備を行ってきた。SDFの報道担当者は6日、「ユーフラテスの怒り」と名付けた今回の作戦について、米軍主導の有志連合との連携の上、5日夜に着手したと述べた。戦闘員約3万人が参加する予定で「まずラッカ周辺の地域を解放してラッカを隔離し、次にラッカを制圧する」作戦だと主張している。 【時事通信社】」と書かれている。
これを読んで、各メディアでは、恐らくISが掃討されることは素晴らしい!といった論調が日本でも流れるのだと思いますが、本当にそうでしょうか?クルド勢力によるISへの作戦が、米軍と連携して行われていることで、また新たな火種を生むだけだろうと思います。
クルド人勢力自身、まず、ISに対抗するにあたりもっとも重要なアクターとなるトルコにとっては、その存在はタブーですから、背中から撃たれることにもなりかねないでしょう。実際にエルドアン大統領もそう言っています。
また、米軍が中途半端に介入していることも、今後の火種です。彼らはISを掃討しても、そのあとの地域の再興には寄与しないし、できないからです。おそらく、ISが仮に掃討されても、トルコによるクルド撲滅作戦は止まらないでしょうし、イラク・シリアに生まれる空白は、別の勢力たちがまた血で血を洗う争いを繰り広げるスペースになるだけでしょう。
この問題は、なかなか長引くことになるでしょう。心配です。