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【新たな危機への序曲?】米国によるシリア攻撃とその影響について

今朝入ったニュースによると、シリアでの化学兵器使用疑惑への対抗策として、トランプ大統領がシリアに59発の巡航ミサイル発射(トマホーク)を命じ、即時実施されたとのこと。

予想はしていましたが、思いのほか、迅速な対応でした。
そしてその決意に対しては、強いリーダーシップを示したということと、反応の速さという点では評価できるものと思います。

ロシア他からの懸念、そして現在、フロリダで首脳会談に臨んでいる中国から懸念は述べられたようですが、surprise attackではなく、一応、告知をしたうえでの巡航ミサイル発射だったようです。プーチン露大統領の発言とされる「米軍による攻撃は、シリア情勢をさらに複雑化させ、泥沼化する」という点については、残念ながら、そのようになるだろうと予測します。
今後、対IS、そしてシリア情勢について、どのようなフォローアップ行動をとるのか。情勢を追わないといけませんね。

さらに今回の巡航ミサイル発射は、明らかに北朝鮮の金正恩への警告とも考えられます。昨今、北朝鮮への”あらゆる手段”を排除しないとの意思表示もあったわけですから、「ふざけたことを続けていたら、迷わず”迅速に”対応するぞ」とのメッセージとも受け取れるでしょう。
今、習近平国家主席と、北朝鮮問題についても対応を協議しているところでしょうが、恐らく、中国からは快い返事は得られずとも、「一応、事前に断りは入れたよ」ということで米国が何らかの、これまでにない、対応を講じる可能性が高くなりました。早ければ今週末から来週、その後は5月9日の韓国での大統領選挙にかかる時期までの間の”実施”があり得るかと考えます。

シリアは、物理的には日本からは遠いですが、こう考えてみると、どこか遠いところの出来事ではないことを自覚し、真剣に備えるべきかと思います。

とはいえ、今回の化学兵器使用については、まだ確証はないわけですが。。。

忙しくなりそうです。

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島田 久仁彦 (しまだ くにひこ)

1975年生まれ。大阪府出身。国際ネゴシエーター。株式会社KS International Strategies CEO。経済産業省参事。同志社大学、アマースト大学を経て、2002年ジョンズ・ホプキンズ大学大学院国際学修士。国際情勢、環境・エネルギー問題の専門家。1998年より国連紛争調停官としてコソボ、東ティモール、イラクなどの紛争調停に従事。2005年から環境省国際調整官(2010年11月から2016年3月までは環境省参与)として、気候変動交渉で日本政府代表団リード交渉官と交渉議題の議長を歴任。2012年世界経済フォーラムYoung Global Leaders 2012に選出される。現在、CNN、BBC、France2など海外メディアに出演し、国際情勢、安全保障問題、環境・エネルギー問題などのコメンテーターを務めている。活動は安全保障・外交問題、エネルギー、環境問題にとどまらず多岐にわたる。主な著書に『交渉プロフェッショナル』(NHK出版)、『最強交渉人のNOをかならずYESに変える技術』(かんき出版)などがある。

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