世の中は、荒れ狂い、見通しが立たない朝鮮半島情勢の漂流、そして米中貿易交渉に目を奪われていますが、実はその裏で、刻一刻と爆発の瞬間が近づいているかもしれない事態が、中東で連続しています。
一つは中東地域の盟主で、欧州、中東、北アフリカ地域、そしてアジア地域の真ん中に位置し、国際政治のキャスティング・voteを握る存在になり得るトルコの不安定化です。
【エルドアン大統領が命令したイスタンブール市長選のやり直し】
【NATOの戦略的拠点で、パートナーでありながら、ロシアから導入するS400ミサイルが引き起こす東西の衝突】
などが挙げられます。
二つ目は、イランをめぐる動静です。
5月に入り、アメリカが同盟国に課していた対イラン原油輸入禁止措置からの例外規定の延長が無くなり、日本や欧州各国という同盟国も、イラン制裁包囲網にフルに加わるか否かの大きな岐路に立っていますが、これにより、イラン経済の先行き不透明感が高まり、イラン国内の政治的なパワーバランスにも変化が見られています。
核合意をけん引してきたロウハニ大統領をはじめとする穏健派の勢いが衰え、最高指導者ハーメネイ師に代表される対米強硬派が勢いを取り戻すことで、イラン政治は、核開発の一部再開や短距離弾道ミサイルの再配備など、国際社会への対決姿勢を打ち出しています。
ロウハニ大統領は、まだ核合意に留まる意思は見せていますが、今後、経済状況の悪化の度合いによっては、一気に強硬派に押し切られて、point of no returnを越えてしまうことになりかねません。
この2つの国で起きている大きな流れの変化は、互いに密接に関係しあい、場合によっては、地域のみならず、世界全体を巻き込んだ大きな紛争へと発展していく危険性をはらんでいます。
どのような状況なのか?
そして私たちはどのように対応していくべきか?
5月10日に発行される私のメルマガ『最後の調停官 島田久仁彦の無敵の交渉・コミュニケーション術』の2つ目のコーナー、【国際情勢の裏側】で語っております。ぜひご覧いただければ幸いです。